2025年3月19日(水)、20日(木)の日程で、コラッセ福島(福島県福島市)にて東日本大震災・原子力災害 第3回 学術研究集会が行われました。
私は、20日(木)に、「福島第一原子力発電所の廃炉と跡地利用」というタイトルで発表いたしました。

これまで、時代は浅くとも歴史学的な研究を行ってきた私にとって、今回の発表は初めて「今」に取り組んだという点で、挑戦的な内容でした。
その分、詰められていない部分も多く、研究途中報告という性格の発表となりました。
リプレースという考えを、安易に福島の場合に言及してしまったのも、不用意だったなと反省しています。
(ただし、歴史は思わぬ方向に進みうるということを、十分な根拠をもって主張するのも、歴史学者の重要な役割の1つかなとも思います。)
質疑では、県の役割をどう考えているか?複数世代が関わる問題だと思うがどうするのか?熟議民主主義的実践がなかなか進まないのはなぜか?などといった、どれも重要なご質問をいただきました。
まさに自分が詰め切れていないポイントでした。
特に、住民参加といったときの「住民」とは誰なのか。市町村のレベル、県のレベルがどのように関わっていけばよいのか。これらは、今後の課題として引き続き考えていきたいと思います。
この研究会は昨年に続き2回目の参加ですが、農業の問題、SNS含むメディアの問題、若者との世代間格差、祭り、祈り、伝承、移住者を含むコミュニティの問題、防災計画、人口推移、マスコットキャラの役割など、あらゆる面からの報告を聞くことができ、
東日本大震災という事象を捉えるのに、いかに自分が狭い範囲しか見えていないかということを認識することができる研究会だと思っています。
震災当時、復興計画に携わっていた方からご意見をいただけるのも、福島に来たからだなと思います。
ぜひ今後も、このような研究会が、もっと続いていくとよいと思っています。
また、ブログ更新できていませんでしたが、3月18日(火)に学位授与式があり、はれて博士の学位を取得することができました。努力もしましたが、周りからのご支援を含め、幸運が重なった結果と思います。
独立した研究者として見られることに一抹の不安もありますが、やるべきだと思ったことをやっていけるように、引き続き頑張りたいと思います。
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